退職の告げ方

内定をgetし、気分は最高!これで充実した仕事ができ、収入UP!という気分は、転職活動で最も気持ちが良く、やって良かったと思う瞬間です。しかし、ふと冷静になると、転職活動で最難関で、最も気を遣うイベントが待ち構えています。それは退職手続きです。


・退職意思表明は退社の何日前に告げんとアカンのか?
 民法第627条には「雇傭ハ解約申入ノ後二週間ヲ経過シタルニ因リテ終了ス」とあり、退職日の2週間前でいいことになっております。では、ホンマに2週間前でいいのでしょうか?あくまでも法律論であって、現実は無理です。会社の就業規則で1ヶ月前と規定されていることがほとんどですので、1ヶ月前が妥当でしょう。2・3ヶ月前はお互いの気持ちがかなりだらけてしまうので、お勧めできません。

 過去の前例を見ると、1ヶ月の前半(15日)までに退職を申し出た場合は民法627条が優先し、後半(16日)以降に申し出た場合は就業規則が優先されます。まあ、あくまでも原則論です。基本的に当月の退職は、引継ぎのことを考えると不利になる可能性が非常に高いのでやめましょう。


・退職の報告方法
 どんなに嫌な上司・会社に対してでも、いきなり退職届を叩きつけるのはやめましょう。そんなんは安物のドラマにまかせておきましょう。誰に最初に報告するのかが一番大事です。同僚に相談したり、報告するのはご法度です。なぜかというと、そういった噂はインフルエンザよりもはるかに高速に広まります。最悪なのは、上司が他の部署の人間から報告されることです。上司の立場はありませんね。こうなってしまうと、かなり高い確率で退職手続きに手間・時間がかかります。下手をすると1ヶ月で退職できず、自分の担当外の引継ぎや余計な雑務をさせられる可能性があります。必ず最初は、直属の上司に退職を告げましょう!

 あと注意することは、上司に転職先の企業名は絶対に公表しないで下さい。「また報告します」とか言って、その場をごまかして下さい。私は上司だけでなく、役員に聞かれましたが一切公表しませんでした。


・引き止め
 引き止めが転職で転職で最大の難関といっても過言ではありません。何回も繰り返して言いますが、感情で判断せず客観的に判断して下さい。


引き止め例1
上司「残される人のことを考えて欲しい。次の人が来るまでは残って欲しい。」
自分しかできない仕事というのは、残念ながら自分が思う程ありません。特許や発明を除いて、自分しかできない仕事はありません。自分がいなければというのは、単なる思い上がりです。会社の中ではあなたの代わりに仕事をやる人は必ず出てくるものですし、会社である以上、そうでなくてはいけないのです。瞬間的には、あなたが抜けた穴は大きなものかも知れませんが、その穴は必ず埋まるのです。その穴を埋めるのが上司の役割であって、それができないのであれば上司失格です。上司はあなたが抜けるのが痛いのではなく、「自分の手間が増える」のを嫌がっているのです。あなたがすることは、引継ぎをすることであり、辞めた後の責任を負う必要は一切ありません。


引き止め例2
上司「給与に不満があるなら昇給を考える。仕事内容に不満があるなら、希望の仕事に就かせる」
人材を失うことは、どのような会社でも困るものです。そのため会社側は、今まで簡単に叶う事はなかったような条件や仕事内容を提示してなんとか引き止めようとしてきます。特に条件や仕事内容が大きな理由で転職を決断した場合、これらの言葉を上司の口から聞かされると非常に悩んでしまうものです。しつこく繰り返して言いますが、感情を捨てて判断しましょう。正当な評価に基づいた昇給であれば喜びたいところですが、辞めて欲しくないという理由で一時的に給与が上がっても、その後の昇給が押さえられれば意味がなくなります。逆にこのようなことで給与が左右される会社ということは、また後々に給与・昇進への不満が出てくるケースが多いことも、残念ながら事実です。同様に、辞められたくないのでという理由で提案された条件は、あなたへの公正な評価の結果ではないという事になりますので、後々何かがあるたびに「良くしてやったんだから・・・」という話になる可能性もあります。また、周囲の目にも「ゴネ得」に映り、別の意味で就業環境が悪くなる可能性もあります。大切な事は、会社を辞めたいと思われた理由を再確認して、その理由を根本的に解消するものでない限りは目先の提案に惑わされないようにすることです。会社から提案されて気持ちが舞い上がることなく、冷静な対応を意識しましょう。


引き止め例3
「まぁ、一杯飲みに行こうや!」上司や役員から飲みに誘われる。
やはりお世話になった上司からの慰留については、最も心を痛める場面です。お世話になった上司には申し訳ないが、その上司の力を持ってしても自分の希望する人生を歩むことができないと決断するに至った経緯などを真摯にお話するしかないでしょう。 例えば、「同じ会社で働かなくとも、共により高いステージで再度パートナーとして仕事ができるように頑張ります」という気持ちを伝えることもできるのではないでしょうか。ここでのご縁がなくなることで、一生お世話になった方に恩返しができなくなるわけではないのですから、「一緒に働いて頑張っていきたいと思っていたが、できなかった理由」を納得していただきましょう。


・転職活動を遂行する人に忘れてはいけないこと
自分の意志がどれほど固くても、退職の意思を表明した途端に、その会社や同僚、上司、商品等が輝いて見えてくるものです。「本当に自分の選択は正しかったのか」「自分のわがままで周囲に多大な負担をかけて申し訳ない」「共に汗を流した仲間や、お世話になった上司を裏切ったのではないか」等々、様々な考えが思い起こされてきます。
忘れてはいけないことは「何故転職を決意したのか」ということです。自分を苛む気持ちは非常によく分かりますが、転職を決意したあなた自身も非常に悩み、苦しんできた結果、次の新たな人生にチャレンジできる権利を手にしたのです。決して身勝手な振る舞いではありません。


自分の人生は自分で守らなくてはいけない。会社は決して守ってくれない。

転職先が決まった段階で、次の会社であなたを待っている人がいる。

あなたの代わりは必ずいる。自分の穴は必ず埋まる。それが会社というもの。

退職を口にした時点で、既に「退職予備軍」のレッテルを貼られている。


重要な局面では感情で判断をしてはいけない。


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